2020年3月4日水曜日

石川県プレミアムツアー 第二日 高野山真言宗別格本山 那谷寺


202031日日曜日投稿「石川県プレミアムツアー 第二日 山中温泉こおろぎ橋畔 料亭明月楼」 https://kabu-taiwan-kikou.blogspot.com/2020/03/blog-post.html より続く)

1月28日(火)午後、山中温泉から湯涌温泉へ移動する途中に那谷寺に寄りました。

後に「越の大徳」と讃えられた泰澄法師は、夢に現われた女神より「白山に来たれ」と呼びかけられます。このお告げを信じた泰澄は、それまで誰も成し遂げられなかった白山登拝を決意し、弟子とともに白山を目指して旅立ちました。そして幾多の困難の末、ついに山頂に到達。そして主峰・御前峰に白山比咩神社奥宮を創建し、白山妙理大権現が奉祀されたされています。これが養老元年(717年)で、この年をもって白山開山の年としています。

那谷寺も同年養老元年(717年)、泰澄法師によって開かれました。717年といえば平城京遷都から僅か7年後のことです。

2018年夏に台湾大学日本研究センターや国際産学連盟のメンバーを連れて、石川県の百年老舗企業9社を視察しました。その際、最初にお邪魔したのが「粟津温泉 法師」でした。法師さんは養老2年(718年)の開湯で、法師家のご先祖は泰澄法師のお弟子さんで、泰澄法師からこのお湯を守るようにと言われて、1300年の間この那谷寺さんの近くで温泉旅館を経営されています。現在のご当主は46代目だそうです。

また医王山の泰澄法師による開山は養老3年(719年)ですが、医王山については別に詳しいお話をさせていただきたいと思います。

石川はどうしても加賀百万石のイメージが強く、江戸時代の歴史ばかりが語られるきらいがありますが、那谷寺さんを始め、泰澄法師が関係する古跡には1300年の歴史があります。

話は前後しますが、百年老舗企業の視察を終えてから、知り合いに連れられて那谷寺さんにお邪魔しました。ご多用な副住職さんに御自らご案内していただき恐縮しておりました。副住職さんは、私と年が同じくらいで、ご母堂さまの出身地が私の愚母と同じだったりしたためか、気さくにお話ししてくださいました。

副住職さんによると、南北朝時代の戦乱により堂塔はことごとく焼失し、江戸時代の寛永十七年(1640年)より加賀前田家第三代当主前田利常公が本殿、拝殿、唐門、三重塔、護摩堂、鐘楼、書院などを再建されたそうです。鼻毛で百万石を守ったと言われる名君利常公ですね。この時、副住職さんは「利常さんが、利常さんが」と呼ばれるので、ちょっと驚きました。私のような庶民は常に利常公とお呼びしているので……。那谷寺さんにとっては利常公はそれだけ身近な存在ということなのでしょうね。

更に平成2年(1990年)に再建された金堂は総檜造りですが、ここには台湾の檜も使われているとのことです。この檜は戦後台湾から日本へ輸出された最後の檜とのことで、これ以降は台湾から檜を輸出することは禁じられているとのことです。ここにも台湾と石川との御縁を感じます。

副住職さんによると紅葉の那谷寺はやはり大人気で、秋は大変な混みようとのことです。冬の雪の那谷寺がオススメですよとおっしゃってくれました。

今回はひっそりと台湾の方をお連れし、二人にて参拝させて頂きました。山門です。塀の五本線がお寺の格式の高さを表しています。気をつけると分かりますが、京都や奈良でも塀に五本線があるお寺は多くありません。


残念ながら雪はないですが、雪吊りはやはり良いものです。


雪が無いかわりに、大悲閣本殿に参拝する事ができました。


展望台から眺める奇岩遊仙境。那谷寺さんは1300年以上、三体の神仏をご本尊としてお祀り続けていらっしゃいます。十一面千手観音、白山妙理大権現、そしてこの自然奇岩遊仙境です。


泰澄法師は白山やその大自然の神々と魂の交流を図る「自然智」(じねんち)の教えを説かれたと言います。自然と一体になって生きていくことは日本の伝統的な価値観であると思いますが、那谷寺さんは1300年以上に亘ってそれを説いていらっしゃるのだと思います。

山中温泉で曽良と分かれた俳聖芭蕉は、元禄二年(1689年)八月五日に那谷寺を参拝し、「奇石さまざまに古松植ならべて、萱ぶきの小堂岩の上に造り、かけて殊勝の地なり。」と奥の細道に記したそうです。


芭蕉が那谷寺で残した名句は「石山の石より白し秋の風」でしたが、おっちょこちょいの僕は苔むし加減が綺麗な別の句碑を撮影してしまいました……。(しかも読めないので、お恥ずかしい限りです。)

次に医王山まで行かないといけませんのでちょっと早歩きでしたが、1300年の古刹を散策してみました。今度は雪の那谷寺にお邪魔したいものです。

(続く)

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起業、大学院での活動、在台日本人の生活等を通して色々な角度から見た台湾について、そして台湾から見た日本について、皆さんとお話していきたいと思っています。