先週3泊4日で東京へ出張へ行きました。
たまたま時を同じくして、台湾大学の同級生で、しかも僕の宿題チームのリーダーがお客さんを連れて東京に来ていました。
チームリーダーって北京語でなんていうか御存知ですか?
『組長』なんです。
日本語の感覚だとちょっとコワイですね。笑
『組長』と彼のお客さんを築地の寿司屋さんに連れていってたらふく食べると、突如東京タワーへ行くことになりました。
組長は台湾語で言います。
「時間がないから、『ハイヤー』に乗ろう!」
『ハイヤー』?!
「そう『ハイヤー』、うちのバアちゃんがいつもそう呼んでた。」
「え、うちのバアちゃんもですけれど。。。」
21世紀の東京で、ハイヤーという言葉を外国人から聞く意外さに衝撃を受けながら、僕らはタクシーに揺られて東京タワーへ向かったのです。
僕は台北101は何度も行っているのに、東京タワーへ行くのは初めてでした。
今さらですが、東京の夜景は綺麗ですね。
盆地の台北の夜景と違って、夜景の裾が遠く遠く広がっているのが何とも魅力的です。
東京タワーの中の景色の解説のシステムも、タッチパネルでiPodっぽいのが使いやすくて、日本らしく細かいところまで心配りがきいているのも憎いですね。
夜景や景色の解説システムにはしゃぎながら、組長は聞きます。
「カブ、東京タワーに来るのは何度目?」
「へへへ、組長、実は僕は初めてなのです。」
「あ、そうなの、俺は2回目。」
「えー、負けた!組長前回はいつ来たの?」
「結婚する前に『老婆』(北京語で、奥さんの意味です)と一緒に来た。」
「いいねー、組長、ロマンチックで。」
「なーに、昔のことだよ、そういやカブ、今どうなの、前の彼女のことは吹っ切れた?」
「ようやく吹っ切れたと思ったら、この前よりを戻したい気がするとか言ってきたよ。全く台湾女は分からんね。あ、組長、この話、おしゃべりクラスメートたちには内緒だよ。」
組長さんはとある外資系の500人以上の従業員を抱える会社の社長さんなのですが、僕らは本当の大学院生に戻ったかのように他愛もない話をしながら、東京タワーを降りて、ホテルへの帰路についたのです。
✤✤✤
まる2日間の仕事を済ませた後、土曜日の朝一番の便で台北に戻りました。
台湾大学EMBAでは新学期の第一日目の授業で、僕は午前中の授業は間に合わなかったのですが、午後の授業からしっかり出席したのです。
初めて私を見る教授が聞きます。
「あなた、どこのお国の方かしら?」
同級生たちが一斉に囃し立てます。
「この人台湾人、偽日本人です。東京タワーに先週初めて登りました!」
僕が唖然となっていると、横に座っている「姉御」が耳を引っ張りながら言います。
「アンタ、麗しのクラスメートたちを放ったらかしにして、前の彼女とよりを戻そうなんて馬鹿なことを考えているそうね!お仕置きよ!!」
「姉御」は更に力を入れて僕の耳を引っ張ります。
『組長』や他のクラスメートたちは相変わらず見て見ぬ振りをしながらニヤニヤしています。
あーあ、台湾での人生って過酷なものですね。。。
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