2011年2月3日木曜日

証城寺の狸囃子コマーシャルの謎 1

年末に台湾のテレビで放映されていたコマーシャルで、1つどうしても気になってしょうがないものがあった。



それは富邦金控 (Fubon Financial Holdings) という台湾でも大手の金融グループ会社のTVコマーシャルである。

このコマーシャルでは、我々日本人には馴染みの深い『証城寺の狸囃子』の音楽に合わせて、たくさんの老若男女が至る所で踊っているものを撮影しただけのようで、広告の対象となる何らかの商品が出てくるわけでもなく、一般の広告にあるような楽しいキャッチフレーズがあるわけでもない。

しかも時間帯によってはかなり頻繁に放映されるのである。

なぜ富邦ファイナンシャルグループは巨額の広告費をはたいて、「証城寺の狸囃子」のコマーシャルを流しているのだろうか。

とんとん解せぬとはまさにこのことである。

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そんなある日、プロジェクトメンバーたちと昼食に出かけたところ、お店のテレビでまたもこの広告が流れていた。

「あ、またこのコマーシャルだ!」

僕が大声で言うと、プロジェクトの追い込みで疲れているメンバーたちも何だ何だと驚いて、僕の顔をじっと見つめる。(続く)

2011年2月2日水曜日

過年暗

今年は22日が旧暦の大晦日にあたる。

北京語で大晦日は『除夕』(ちゅーしー;Chu2-xi1)と呼ぶのは知っている方も多いと思う。

台湾語ではどうだろうか。一つ目の言い方は、『過年暗』(ごえにーあむ;Koe3-ni5-am3)である。

もう1つの言い方は、『二九暝』(りーがうみー;li7-kau2-mi5)或いは『三十暝』(さーづぁっみー;SaN1-chap4-mi5)という。

何故ここで二九になったり三十になったりするかと云えば、年によって旧暦十二月は29日で終わったり、30日で終わったりするからである。

ちなみに今年の陽暦2月2日は陰暦12月30日なので、『三十暝』と呼ぶべきである。

台湾では元日ではなく、大晦日に一番のご馳走を食べる習慣があるのだが、今年も知り合いに呼ばれて重いお腹で帰宅すると、携帯電話のショートメッセージが届きだし、爆竹の音が響き始めてきた。

一般の人はどうかは分からないが、僕の周りの人たちは日本のように年賀状みたいなものは出さずに、携帯のショートメッセージで新年の挨拶をする。

ところで、この台湾の旧正月名物爆竹には頭が痛いところである。これのせいで大晦日は大抵は寝付けないものである。

この爆竹の由来は何かということを最近知った。

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昔々、「年」という怪獣がいた。

普段は海底の奥深くに住んでいるのだが、毎年大晦日になると海底から人の住むところにはいあがってきては、人を襲うのである。

ある乞食の老人が大晦日にとある老婆に言った。

「もし私を今晩うちに泊めてくれるならば、『年』怪獣から守ってあげよう。」

この老婆は半信半疑ではあるが、この乞食を家に泊めることにした。

乞食はまず門の側に赤い紙を貼った。

そして、家の中を夜通し明々とロウソクを灯した。

夜中になると、ソロリソロリと「年」が老婆の家を襲おうと門を越えて入ってこようとした。

すると、バチバチっと激しい音がなり、「年」は慌てて逃げ出した。

翌日の元日に、乞食は老婆に「年」は赤色のもの、激しい音と明かりを恐れるのだと話した。

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こんな話があるのだと感心しながら、プロジェクトにいる若者に話したところ、「知らない」との素っ気ない返事だった。

民間伝承の物語が廃れつつあるのは、日本でも台湾でも同じようだ。

突然だが、話を「年賀ショートメッセージ」に戻す。

幾人かのオテンバ台湾女性の同級生やその他知り合い達には「新年快楽!うさぎ年の今年は、あなたも兎のように大人しくしましょうね。」との文面で送ったところ、「私は元々兎よりも可愛らしく、羊よりも大人しいわ。今年は更に優しくなるから、どうぞお楽しみに。」との返信があった。

新年早々頭が痛いところである。

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2011年1月16日日曜日

台湾大学EMBA二学期期末試験

今週末は台湾大学EMBAの第二学期の期末試験があった。

今学期は3つの必修科目をとっていたのだが、そのうち2つはちょっと変わった期末試験だった。

1つは、試験の問題に回答することに加えて、笑い話を書くこと。

意図は良く分からないのだが、面白い話であれば点数を上げてくれるとのこと。

(もしかして、この教授は「ネタ帳」でも作っているのだろうか。。。)

もう一つの試験はもっとユニークで、まず3つの選択肢が与えられた。

1つ目の選択肢 …… くじ引き。くじには70~90点までの点数が書かれていて、くじ引きによって期末試験の成績が決まる。(70点は台湾大学EMBAの合格点。)

2つ目の選択肢 …… 制限時間30分の試験。90点満点。

3つ目の選択肢 …… 制限時間90分の試験。100点満点。

教授がこのユニークな試験形式を説明されたときには、僕は自分の中国語の聞き取り能力に重大な問題があるのかと思ったくらい驚いた。

元々問題はあるにはあるのだが、このときはまさに耳を疑ったのだ。

結構多くの同級生たちが「くじ引き」部屋へ走っていったのだが、僕の方は、何か聞き間違いや聴き漏れがあるかもしれない、あるいは何か裏があるのではないかと思い3つ目の選択肢をとった。

この試験の次の日に同級生たちが、がやがや話しているのを聞くと、くじ引きの話は本当で、かなり多くの人がくじ引きを選んだらしく、くじ引き部屋は相当賑わったらしい。

僕の周りのくじ引き参加者の最高得点は88点で、他は80点台の人もいれば70点台の人もいた。

果たして教授が仰られていたことは本当だったのである。

仕事も忙しい中で半分徹夜の日々が続いた後、半分狐につままれたような気持ちであるが、とにかく期末試験は終わったのでまずはよしとする。

2011年1月1日土曜日

2011年元旦

あけましておめでとうございます!

新暦の元旦は台湾でも一応祝日である。

今年は元旦が土曜日に当たったので、別に仕事が休みになるわけでもないので、友人たちは残念がっていた。

とは言え、僕にとっては大学院の授業がお休みになるので、久しぶりに何の用事もない土曜日となった。こんな休日はゆっくり休息するに限ると思い、自宅にいる。

外はといえば、今年は民国100年で、新年のイベントが色々と多いらしい。

台北101のカウントダウンを自宅のベランダから見ていたのだが、歓声がうちでも聞こえた。

台北101は台北市の南東にあり、僕の自宅は北東にある。台北市の端から端まで歓声が伝わったことになる。よっぽど多くの人が集まっていたのだろう。

台北101の花火は今年は一層盛大で、遠くからみると積み木の様に見えるビル全体が、なんやら火の柱のようになって見えた。小さくとも迫力や華麗さというものは感じ取ることが出来た。

日本でいう「花火」と台湾の「煙火」(北京語で花火の意)とは相当感覚が違うと思った。

昔田舎でお盆に見たぽつりぽつりと浮かび上がっては消えていく、線香花火を大きくしたような遠花火の絵の情緒とは正反対である。

また、台北市の端から端まで響く歓声は歓声で、日本の行く年くる年には欠かせない鐘の音とも正反対である。

そんなことを考えながら日本人は伝統を大切にしなさい、と仰られた李登輝さんの言葉を思い出した。

2011年、日本にとっても台湾にとっても益々大変な年になると思う。

ささやかながら、今年、日本も台湾も少しでもよくなるようにまずは祈りたい。

皆様今年もどうぞ宜しくお願い申し上げます。

本ブログの概要

起業、大学院での活動、在台日本人の生活等を通して色々な角度から見た台湾について、そして台湾から見た日本について、皆さんとお話していきたいと思っています。