2010年6月30日水曜日

台湾会社設立物語10 ~ 台湾の最低賃金とは?健康保険と労災は加入必須か?

台湾における起業や新会社の設立に興味がある方々へのご参考のため、昨年会社設立の際に書いていました日記をご紹介したいと思います。

台湾の最低賃金とは?健康保険と労災は加入必須か? (2009年6月16日)

前回会計士事務所で新会社の会計について話し合ったときに問題になったのが、

1. 台湾において最低賃金はいくらか。雇用主の最低賃金は、一般従業員の最低賃金と異なるのか。もし異なるならばいくらなのか。

2. 外国人が台湾で働く場合、そもそも全民健康保険、労工保険(労災ですね)はそれぞれ必須なのかそれもと任意なのか。

これらの問題について、意外にも会計士事務所で答えが得られなかったのです!

そして「台湾では法律はしょっちゅう変わるので、所轄機関に直接問い合わせるべきです」と言われてしまいました。

この言葉は、私自身中国や台湾のクライアントによく言うことでもあります。ここは自分で確かめることにしました。

まず向かったところは「労工保険局」というところで、労災の管轄機関です。

なぜか凄い人で、番号札を取るとなんと50人待ちでした!

順番が来て、係の人に自分が日本人で、一人公司(従業員が代表の一人のみの会社のこと)を設立したことを伝えると、「一人公司では労災には加盟できません。必ず二人以上会社に人がいなければなりません。」とのこと。

そして、この係のおばさんは話し続けられます。

「もし一人公司のままで加入したいのであれば、同業の組合を探すことをお薦めします。」

更にお話を続けそうになるおばさんを、ここで私は遮って質問しました。

「そもそも、私みたいな日本人は労災に加盟義務はあるのでしょうかね。アッサリ*いらない、ということではいけないでしょうかね。」

おばさんは私の質問が終わるか終わらないかのうちに、

「没問題(問題ない)!労災の加盟を義務付ける法規はありません。」

と答えられ、私の上記問題②の半分が解決してしまったのです。

* ところで「アッサリ」は台湾語になっています。「阿沙力」と当て字をしたりします。ここでの中国語は「阿沙力不要加」と言っていました。)

私は質問を続けました。

「では健康保険はどうですかね。これは加入が義務付けられていますか。」

おばさんは、うーん、やはりそれはきちんと所轄機関に行って聞いた方がいいと仰い、健康保険局の住所をくれ、かつ行き方を教えてくれました。

ではいざ健康保険局へ!

(次回へ続く)

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2010年6月29日火曜日

台湾大学院受験奮闘記 12 ~ 予備校最後の講義

台湾への留学に興味がある方々へのご参考のため、引き続き昨年大学院受験の際に書いていました日記をご紹介したいと思います。

予備校最後の講義(2009年10月25日)

週末の1024日(土)、25日(日)の2日間、みっちりと全日予備校の講義です。

内容は管理學概論、時事、ケース分析演習、面接の受け方です。

管理學概論は前回の内容と同一で、今回は2回目の受講ですのでよい復習となりました。

よくよく考えると、例えば「オペレーションズリサーチ」、「サプライチェーン管理」、「財務管理」、「○○リーダーシップ論」等等、経営に関する個別理論の本はよく読むのですが、経営管理学を1冊の本で総括的に鳥瞰するのは今回が初めてです。

更に過去問と合わせてみれば、「SWOT分析」等の非常に基本的な話から、「バランス・スコアカード」、「ブルーオーシャン戦略」、「知識管理、学習型組織」など最近流行であり、かつ自分でも勉強しないといけないと思いつつ手がついていなかったトピックを見る良いきっかけとなりました。

時事については、今年あった出来事でかつビジネスに関係の深いことをいくつか選び、それをジャーナリストの方に紹介してもらうというものです。

この時事で特に時間を割いて説明、ディスカッションされたのがECFAでした。

ECFAは「Economic Collaboration Framework Agreement の略で日本語では『両岸経済協力枠組み協議』と呼ばれ、いわば中国(中華人民共和国)と台湾間のFTAFree Trade Agreement)、自由貿易協定であると言えます。(これについての議論はまた別途どこかでしようと思います。)

これまた普段はニュースで見ているのみで、深く情報収集したり、人と議論したりしたことがなかったため勉強になりました。

受験勉強も結構役に立つものだと思いました。

ところで、今回の講義会場は淡江大学の麗水街にあるキャンパス。ここは日本統治時代は「昭和町」と呼ばれていた地区です。窓から外を見ると黒い瓦ぶき、トタンの看板・・・、そんな懐かしい感じの建物が見えてきました。

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2010年6月28日月曜日

簡単台湾語講座 ~ 絶対に覚えておきたいフレーズ 2

台湾語で前回お話した『食飽袂?』(http://kabu-taiwan-kikou.blogspot.com/2010/04/blog-post_09.html)の次に、絶対に覚えるべきフレーズは何でしょうか?

歹勢! Phái-sè!  パイ セェ 

「きまりが悪い」が元々の意味で、軽く謝るときに使います。

北京語で言えば「不好意思」に相応します。

この「パイ セェ」の使用頻度、使用範囲は極めて広く、非常に便利な表現です。

まず日本語でごめんなさいと言いたい状況でこの表現はほぼすべて使えます。

加えて、人に話しかけるとき、電車やバスでちょっと通らせて欲しい時、中国語を過度に誉められてきまりが悪い時等々の場面でも使えます。

強調するときや、相手の注意をひきたい時には、「パイ セェ パイ セェ」と二度繰り返せばOKです!

ちなみに一般的には中南部の人は「パイ セェ」のパイが鼻にかかる鼻音で話しますが、北部の発音は通常の音(北京語でいう有気音)で話します。

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2010年6月26日土曜日

台湾の北京語の中の日本語の話2

前回の『台湾の北京語の中の日本語の話』のなぞなぞについて、台北の日本人の友人から異議がありました。

彼のコメントをもとに、訂正を兼ねて、追加のなぞなぞを作成しました。

問:「実は歐吉桑(=おじさん)、歐巴桑(=おばさん)、運將(=うんちゃん)の他に、敗戦後の台湾に、もう一人日本人が台湾に残っていました。この人は昼間は普通寝ています。その人の名前は?」

答:「媽媽桑(ママさん)」

最近台南で一緒に仕事をしていた友人に、3年ぶりに再会しました。

台南での色々な思い出話に花を咲かせたのですが、当時台北から化粧の濃い目の営業担当の女性が台南の片田舎に来て、台南の人たちは「媽媽桑みたいなのが来た!」と言って大騒ぎになったことも思い出したりしたのです。

さて、台湾の北京語の中に残った日本語の中には、日本語の本来の用法から離れてしまったものがあります。

これらを説明する前にまたクイズです。

下の台湾の北京語の意味はなんでしょう?

1.阿那達  2.阿尼基  3.内將

漢字だけを見るとなかなか難しいでしょう?

でも答えは日本人なら小学生でも知っている言葉なんですよ。 

日本語の本来の用法から離れてしまったものの代表が1.の「阿那達(=あなた)」です。

日本語の「あなた」は、二人称かあるいは妻が夫を呼ぶときに使う言葉ですが(最近後者の用法は廃れてきていると思いますが)、台湾での「阿那達」は恋人の意味です。

今日も知り合いから「新しい『阿那達』を頑張って探しなさい」なんて言われたのですが、日本人の私にはどうしても違和感があります。。。

2.の「阿尼基」は「アニキ」なのですが、いわゆるお兄さんの意味ではなく、通常「極道やそれに類似するお兄さん」に限定して使われます。

台湾で日本人の友人を兄貴と呼べば、その友人に迷惑がかかるかもしれないので気をつけましょう!

最後の3.の「内将」は将軍の一種ではなく、「ねえちゃん」です。

阿那達(=あなた)」や「阿尼基(=あにき)」に比べれば使用頻度は低いですが、たまに聞くことがあります。

家族と一緒に日本へ遊びに行って帰ってきた友人が私に言いました。

「日本の温泉はやっぱりいいね、温泉の『ねえちゃん』がとても親切でサービスが抜群だった。」

私はこの友人が家族を連れて一体どんな温泉に行って何をやらかしたのやらといぶかしがったのですが、実は台湾の北京語の中での「内将(=ねえちゃん)」は温泉や旅館などのおかみさんや女性従業員の方を意味しています。

もしも台湾の温泉で「内将(=ねえちゃん)」と呼ばれたならば、それは口説かれているわけではありません。単に従業員に間違えられているだけなのです。

というわけで、台湾の日本語には時には注意が必要です。

✤✤✤

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2010年6月25日金曜日

台湾で失恋

本年元日よりお付き合いしておりました台湾人の恋人と昨日別れました。ああ、愛とは儚いもの。

そこでフェイスブックに「今日恋人と別れた。酒持って来い、ハハ!」と書いたところ、なんと30以上の励ましのメッセージがありました。

「天涯何處無芳草」

直訳は「世界は広い、どこに美しい花の無い場所があろうか」という意味になりますが、転じて「広い世界にはたくさん理想の人がいる」という意味で使われます。

「分手快樂」

別れてハッピーという意味で台湾ではよく聞かれる失恋の歌のタイトルです。

もう一つ印象に残った北京語は

「ふふふ、台湾大学EMBAにないものはない、心配するな。」

とあり、続けて

「肥水不流外人田」(うまい汁は他人に吸わせるものじゃない。)

とあります。

台湾大学のよい人は外部の人に渡すべきではないという意味なのでしょう。

勉強になります!

その他こんなメッセージがありました。

「よっしゃ、みんな、宿題はこれからカブにおまかせだ!」

「10人のうち1人を淘汰したか、棚卸成功おめでとう!」

「お、みんな陰で大喜び中、心の準備をされたし!」

台湾の人は本当にポジティブでユーモアに溢れていて素晴らしい。

驚いたのは、

「私はこの日をず~と待っていたのだ!私と直ぐに付き合いなさい!!」

というメッセージ。しかも書いたのは男性でした……。 Orz

✤✤✤

2010年6月24日木曜日

Google IME で繁体字中国語を入力しよう!

僕はGoogleの大ファンで、Google の検索はもとより、Gmail Google Document Google Calendar Googleのブログ Google Map等々を愛用しています。

そのGoogleが昨年『Google中国語IME』というフリーの中国語入力ソフトを入力した際には、大喜びで直ぐにインストールしました。

しかしリリース当初、この『Google中国語IME』は繁体字を入力する際には、頻繁に使用するのに出てこない漢字があったり、なぜか簡体字に変換されるなどの問題が多く、使用をしばらく見合わせていました。

最近になり使用を再開したのですが、以前の問題は解決されていて、非常に使いやすくなっていました。

流石はGoogle畏るべし!

そこで今回は、この『Google中国語IME』を使って繁体字中国語を入力する方法を皆さんにご紹介したいと思います。

1. まずhttp://www.google.com/ime/pinyin/index.htmlへ行き、本ソフトをダウンロード、指示に従ってインストールします。

2. デフォルトは簡体字入力モードになっていますので、これを繁体字入力に設定を修正します。

2-1. 下図のお日様のようなマークを左クリックし、「輸入法管理」を選びます。

2-2. または、下図の『拼』のマークを右クリックし、「Setting」(設定)を選びます。

2-3. 下図のようなポップアップスクリーンが表示されます。ここで「谷歌拼音輸入法」を選んでから、「Property」ボタンをクリックします。

2-4.  更に下図のようなポップアップスクリーンが表示されます。ここで「繁体模式」をチェックします。

これで完成です!

なお入力方法ですが、「漢語拼音」を入力すればよいだけです。

例えば「你好」を入力する場合は、「nihao」と入力します。

ところが『Google中国語IME』はこの方法と、「双拼」という方法を同時並行で使用できることです。

「双拼」とは、「拼音」の頭文字のみを入力する方法です。

例えば「你好」を入力する場合は、「nh」と入力します。

漢字二文字の熟語は場合によっては、候補がたくさん出てきて選択が大変な場合もありますが、3文字以上ですとこの方法は非常に有効です。

例えば「忠孝東路」と入力する場合には、「zxdl」と入力すれば一発です!

最近台湾人の友人とMSNやSKYPEでチャットしているときに、私の入力が速いので皆に驚かれます。

ちょっと気持ちがいい、ふふふ。

皆さんもぜひトライしてください!

✤✤✤

2010年6月23日水曜日

台湾セブンイレブンでの幻聴

ブラックコーヒー派の私が今日はセブンイレブンで初めてカプチーノを買いました。

その時店員さんが、

「カブ、砂糖入れる?」(卡布,要加糖嗎?

と突然聞いてきたので、僕は

「どうしてこの店員さんは僕の名前を知っているんだ!」

と非常に驚き、どきっとしました。

よくよく考えると、カプチーノは中国語で「卡布奇諾」Ka3-bu4-qi4-nuo4; かぶちーぬおなので、略して「カブ」と言われたことに気づきました。

きっと最近はこのように言葉を短く略すのがおしゃれなのでしょうね。

ということは、店員さんが言っていたのは

「カブ(=カプチーノ)に砂糖入れる?」(卡布要加糖嗎?)

の意味だったのです。

このことに気付いたとき、正直かなりほっとしました。

というのも、最近大学のキャンパスの中のセブンイレブンへ行ったときに、しばしば僕の名前を呼ぶ声が聞こえるのですが、周りを見回しても知っている人がいないのです。

「急に有名人になったはずでもないし、過労か、老人ボケが始まったのか、はたまた精神病になったのか、なんで幻聴が聞こえるんだろう……。」

最近そんな心配をしていたのですが、単に誰かがカプチーノを買っていただけだったのですね。

謎は解け、私の心配は杞憂に終わりました。

有名人になっていなかったのは、ちょっと残念な気もしますが。(笑)

✤✤✤

2010年6月22日火曜日

台湾語名曲シリーズ: 江蕙の『家後』



台湾で台湾語の歌手と言えば、誰もが思い浮かべるのが「江蕙」だと思われます。

実際彼女は台湾語の歌の「天后」(=女王)とよく呼ばれます。

この江蕙の歌の中でもとりわけよく聞かれるのが「家後」というこの歌。

「家後」は台湾語で「げーあう」と発音し、日本語でいう「妻」「家内」の意味。

(ちなみに日本語の「家内」の使い方とよく似ていて、自分の奥さんを指すときに「家後」を使いますが、人の奥さんに対しては使えません。)

昔の台湾は男尊女卑の社会で、女性は結婚後は旦那さんや嫁ぎ先の家に尽くしたそうです。

この歌はそんな一昔前の女性の気持ちを歌ったものです。

ちなみに今はどうなのでしょうか。

私が出会う台湾人の女性は、何故か驚くほど強く、人によっては凶暴と言ってよいくらいの人が多いですね(特に仕事関係)。

時代の流れととるべきか、個人の悲運ととるべきか、この問題の答えは未だに謎です。(笑)

♪♪♪

Ke-āu

家 後

Ū chi̍t-li̍t lán nā lāu Chhoē bô lâng kah lán iú-hàu
老  找

Goá ē poê lí Chē tiám í-liâu Thiaⁿ lí kóng siàu-liân ê sî-chūn Lí ū goā-gâu
你  坐 椅 寮  聽 你 講 少 年 的 時

Chia̍h-hó chia̍h-bāi bô-kè-kàu Oàn-thiⁿ-oàn-tē mā boē-hiáu
較  怨

Lí ê chhiú Goá ē kah lí khan-tiâu-tiâu In-uī goá sī lí ê ke-āu
 我 條  因

Gún chiong chheng-chhun kè tī lín tau Gun tuì siàu-liân toè-lí toè-kàu-lāu
兜  阮

Lîn-chêng sè-sū í-keng khoàⁿ-thàu-thàu Ū siáⁿ-lâng pí lí khah tiōng-iàu
透  有 人 比 你 卡 重 要

Gún ê it-seng hiàn hō͘ lín tau Chiah chai hēng-hok sī chhá-chhá-nāu-nāu
兜  才

Tán-thāi tǹg-khì ê sî-chūn nā kàu Goá ē niū lí seng cháu
到  我

In-uī goá ē m̄-kam Páng lí Uī goá ba̍k-sái lâu
甘 放   

Ū chi̍t-li̍t lán nā lāu Ū sim-pū kiáⁿ-lî iú-hàu
老  有

Lí nā bô-liâu The̍h lán ê siòng-phìⁿ Khoàⁿ khah-chá kiat-hun ê sî-chūn lí goā iân-tâu
 拿 片  看

Chhēng-hó Chheng-bái bô-kè-kàu Koài-tang-koài-sai mā boē-hiáu
穿 穿 較  怪 西

Lí ê sim Goá ē éng-oán kì-tiâu-tiâu In-uī goá sī lí ê ke-āu
   條   因

Gún chiong chheng-chhun kè tī lín tau Gun tuì siàu-liân tio̍h toè-lí toè-kàu-lāu
兜  阮

Lîn-chêng sè-sū í-keng khoàⁿ-thàu-thàu Ū siáⁿ-lâng pí lí khah tiōng-iàu
透  有 人 比 你 卡 重 要

Gún ê it-seng hiàn hō͘ lín tau Chiah chai hēng-hok sī chhá-chhá-nāu-nāu
兜  才

Tán-thāi tǹg-khì ê sî-chūn nā kàu Lí tio̍h niū goá seng cháu
到  你

In-uī goá ē m̄-kam Khào lí Uī goá ba̍k-sái lâu
甘  看   

✤✤✤

本ブログの概要

起業、大学院での活動、在台日本人の生活等を通して色々な角度から見た台湾について、そして台湾から見た日本について、皆さんとお話していきたいと思っています。