2020年2月19日水曜日

石川県プレミアムツアー 第一日 山中温泉かよう亭 ③夕ご飯



さて、かよう亭での宿泊体験に話を移したい。

台北小松便は予定より早めに到着したのだが、それでも小松から山中温泉までは時間がかかる。車はレンタカーでナビにまだ慣れていないせいもあって、山中温泉の街中で少々迷ってしまった。かよう亭に着くと時間ももう遅く、着替えてすぐに夕食を頂くことになった。

早速夕食のお部屋に案内して頂いた。掛け軸や屏風は山中温泉地元の句会で作成されたものらしい。



先付けはせりと子持ち昆布のお浸し。先付:涼拌水芹與鯡魚蛋昆布。

割山椒の萩焼(だと思う)と我谷盆(わがたぼん)にも少し似た山中塗のお盆が見た目も暖かく、優しい。


前菜は、小糠(こんか)鰊、浅葱の芽の酢味噌漬け、公魚の南蛮漬け、いくらおろし、塩胡麻豆腐。前菜:米糠醬醃鯡魚、醋味噌醬醃胡蔥芽、洋蔥醋醃炸西太公魚、鮭魚蛋蘿蔔泥、鹽芝麻豆腐。

小糠(こんか)鰊は北陸の郷土料理。こんか(こぬか)は米糠(こめぬか)の古語。魚の糠漬けを石川県や富山県呉西地区では小糠(こんか)漬けと呼び、福井県ではへしこと呼んでいる。

加賀藩前田家の家紋が梅鉢紋で、菅原道真公の子孫としている。紅梅の蕾が添えられていて、東風(こち)氷を解かさんと欲す季節を表している。こちらも暖かさを感じる。日本の季節感とは本当にいいものですね。


お椀は雲丹真丈、京人参、芽蕪、柚子。御碗:海膽山藥丸、京都紅蘿蔔、蕪菁芽、柚子。

写真がピンぼけなのではなく(苦笑)、蕪の薄切りが浮かべられていて、これを雪に見立てている。蕪の断面や金箔が雪の結晶のようで美しい。ちなみに雪の研究で知られる中谷宇吉郎博士は、山中から海側へ少し行った片山津のご出身。


お造り:なめら、烏賊、甘海老。生魚片:赤點石斑魚、烏賊、甘蝦。

「なめら」は石川県・富山県呉西地区の方言で、「キジハタ」のこと。「なめらばちめ」とも言う。ところでこの器は九谷だと思うがポップな感じで楽しい。


お凌ぎに空豆飯蒸しがあった後、焼き物で鰤塩焼き。御凌:蠶豆糯米(沒有照片)、燒物:鹽烤鰤魚。

懐かしくてたまらない冬の北陸の味。金沢の寒鰤はこのように塩焼きで大根おろしと食べるのが一番美味しいと思う。また、藍九谷の器(山本長左?)は金継されている。ものに命が有るかのように、ものに対して慈しみをもち、大切にすることは日本文化の非常に良いところであると思う。


炊合わせは鴨鍋。炊合:鴨肉鍋

台湾の人たちからよく「日本では鴨肉は食べないの?」と聞かれるが、石川県では比較的よく食べると思う。とりわけ鴨の治部煮は加賀料理の代表格。


箸休めのかぶら寿司。箸休:蕪菁壽司

日本酒に一番合う料理は何かと聞かれれば、是が非ともこのかぶら寿司を挙げたい。冬の北陸にいらっしゃる機会があれば、是非お試しあれ!


合肴の蟹の具足煮。合肴:松葉蟹白味噌煮。蟹は言わずとしれたズワイガニ。



酢の物は香箱蟹。醋物:香箱蟹

石川県ではメスのズワイガニを香箱と呼んでいる。県下では漁期が毎年116日から1229日までのため、こちらは新潟産とのこと。昨年は香箱さんに会うことが出来なかったのだが、ここで期せずしてお会いできて嬉しい。


お食事は合鴨農法で作られた有機米の加賀産コシヒカリのご飯にお味噌汁と香の物。稻鴨農法有機越光米(加賀產)、味噌湯、醬菜

加賀市で合鴨農法をやっていらっしゃるかたはもうお一人しかいらっしゃらない。



甘物は白胡麻のババロア。甘物:白芝麻巴巴露亞。


(④へ続く)

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起業、大学院での活動、在台日本人の生活等を通して色々な角度から見た台湾について、そして台湾から見た日本について、皆さんとお話していきたいと思っています。