ここで担当の方から「何か質問はありますか?」と聞かれましたので、「結果通知を受け取るまでに、大体どれくらいかかりますか」と聞いてみました。
「ケースバイケース、人によってかなり異なります。1ヶ月ぐらいの人もいれば、2ヶ月を超える場合もあります。資料の補足等が必要になった場合にはどうしても長くなりますね。」
これが担当者の回答でした。
提出した資料といえば、パスポートのコピー、日本と台湾の犯罪証明、健康診断、納税証明、就労許可証、そんなモノなのに、どんな補足が必要になるのだろう、と私は心のなかでちょっと不安かつ不思議に思いました。
が、敢えて何も言わずにいると、
「ではこれで終わりです。」
と担当者は微笑みながら、静かな口調で一言仰られました。
某大河ドラマで、丁度話がクライマックスに来たときに
「今宵はここまでにしとうございます。」
とナレーションがあった時のような気持ちに駆られました(このネタは古すぎでしょうか・・・)。
僕は今回は「面接」と言われていたので、きっと色々な質問を聞かれると思っていたのです。
実際、ここまでのところ提出資料の確認、永久居留証についての説明があっただけで、面接らしいことは全くしていません。
ですから、これから本当の面接が始まるのだろう、とてっきり思っていたのです。
「ちょっと待った!」
と心の中で叫びつつ、それを実際に口から出そうになるのを必死で抑えながら、
「すみません、本当に面接はこれで終わりでしょうか。」
と確認の言葉を発しました。
「ええ、」
色黒の格好のいい、原住民と思われるこの担当のお兄さんは、銀縁眼鏡に手をやりながら言います。
「これで終わりです。何か他に質問はありますか。」
「いえいえ何のことはないですが、実は昨晩は緊張して死にそうなほどになって、一晩丸ごと眠れなかったのですが。ハハハッ!」
それまでの会話は北京語でしたが、敢えて台湾語で大袈裟にかつおどけて言うと、
「そうでしたか、たまにちょっと緊張するのもよいではないですか。」
彼の笑顔がちょっとお茶目なものになりそうになったのですが、それを隠すかのように、ちょっと目をそらしつつ答えられました。
私は勿論本当に一晩眠れなかった訳ではなかったのですが、30分ほどであっけなく終わってしまったこの面接に、これまで色々と考えて緊張していために、ちょっと損をしたような、ちょっとがっくりとした気持ちになりました。
一方で、無事完了することができてほっとし、お礼を言いつつ移民署を後にするのでした。
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