2020年2月20日木曜日

曽文ダムマラソン ④曽文ダムマラソンを実際に走る



7時にスタートのピストルが鳴ると、みんなが一斉にスタートゲートを越えていきました。ゲートをすぐ越えたところで黃偉哲台南市長ら関係者が一列になって見送ってくれます。

曽文ダムマラソンのフルマラソンのコースはスタート地点から10.5K地点までを2往復するというものです。


(出典:曽文ダムマラソン大会フェイスブック)

制限時間は6時間半で、各関門の閉鎖時刻は、31.5キロ地点が12時に閉鎖されるのみです。こういうと、完走は容易に聞こえるのですが、私は知り合いから曽文ダムマラソンはアップ・アンド・ダウンが激しく、かなり辛いと聞かされて(脅されて)いましたので、スタートからかなりスピードを抑えて走ることにしました。

スタート地点から少し下り坂で、しばらくは緩やかな上り下りが続き、4キロ地点の『曾文之眼』(曽分の眼)という建物に辿り着きます。


(出典:曽文ダムマラソン大会フェイスブック)

こちらを過ぎた辺りから急激な上り坂になりました。足が動かなくなりそうになりながら、それでも絶対に歩きたくないと踏ん張りつつ6キロ地点に何とか辿り着くと記念碑があり、ダムの堤体部分がぱっと開けてきました。

堤体付近はフラットで、かつ堤体を過ぎると少し下り坂があり一息つけました!

と思うのも束の間のことで、観景台(展望台の意味)というタワーを過ぎたところから、堤体前ほど急ではないですが、ひたすら上り坂になりました。上り坂は本当に自分との戦いですね。


(出典:曽文ダムマラソン大会フェイスブック)

シティマラソンと違って沿道に応援してくれる人もいません。それでもすれ違う時に他の見知らぬランナーの方々が「加油(じあよー)!」(北京語で頑張れの意味)とか「加油(がーゆー)!」(台湾語で頑張れの意味)とか励ましの声をかけてくれるのが嬉しいです。自分も「加油(がーゆー)!」と返事をしながら、相手と自分を励まします。

こうして踏ん張りつつ10.5キロの折り返し地点まで着くとホッとしました。

戻りは下り坂が続きます。リズムにのってタンタンタンと下っていくと、ようやくここで空気の美味しさ、風の心地よさ、ダムや川の水の青と山の緑の美しさを楽しむ心のゆとりが出てきました。更にこの日は天気にも恵まれ、空も青く、ああここまで走りに来てよかったと心から思えました。

例の曽文の眼を過ぎて、スタート地点まで戻る時にまた上り坂がやってきます。しかもここで、ハーフマラソンの参加者たちがどんどんラストスパートをかけて、追い抜いていきます。自分はなぜハーフマラソンでなくフルマラソンに申し込んでしまったのかと、今更ながら後悔しながら、でもここは我慢の時と自分のペースでゆっくり走り続けました。そしてハーフマラソンの参加者たちのゴールする歓声を聞きながら、2往復目に突入しました。

2往復目もずっと足を止めずに遅くとも走り続けていたのが、26キロを過ぎた堤体の手前の上り坂でついに足が止まってしまいました……。ここで時間を見ると制限時間の6時間半にはまだ余裕がありそうなので、上り坂は歩いて脚力と体力をセーブし、下り坂で走って制限時間内にゴールするように作戦を変えることにしました。

曽文ダム周辺は海抜150300メートルの山の中で、朝到着した時は肌寒かったのですが、昼間になるとそれなりに暑くなってきました。

また給水やエイドステーションはたくさん設けられているのですが、昨晩台南の居酒屋で少々食べすぎたようでややお腹の調子が余りよくないため(苦笑)、固形のものは食べずに自分で持ってきたエナジージェルを食べまくりました。上り坂が多いせいか、やたらとお腹が空くのです。(自分の食いしん坊を上り坂のせいにするのはよくないですね。)



ジェルを食べているところをしっかりとカメラマンに写真に撮られました……。

ゴールの近くの最後の上り坂に来ると、制限時間には間に合いそうなので、ゆっくりと歩いていました。そうすると一人の若いランナーの方が、私のゼッケンを見て話しかけてきました。

「你是日本人嗎?」(日本人ですか?)

「是啊,我是日本金澤人!」(そうですよ。日本は金沢の生まれです。)

「真假,我去年參加金澤馬耶,這就是我第一次參加國外的比賽!」(本当に?去年の金沢マラソンに参加したよ。初めての海外でのマラソンだったんだ。)

哇,我們金澤人好榮幸非常感謝參加金澤馬!」(それは金沢人として非常に光栄です。金沢マラソンへのご参加、どうも有難うございます!)

彼はニコッとして、じゃあまた走るよ、お先にと言ってその場を去りました。

金沢マラソンに参加してくれる台湾人が非常に多い中、金沢からも台南のマラソンに参加して欲しいと改めて考えつつ僕もまた走り始めると、ゴールに到着。


タイムは恥ずかしくて決して人様に言えるものではありませんが、なんとか完走(完歩)でき喜びひとしおでした。

(出典:曽文ダムマラソン大会フェイスブック)

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起業、大学院での活動、在台日本人の生活等を通して色々な角度から見た台湾について、そして台湾から見た日本について、皆さんとお話していきたいと思っています。