2020年1月15日水曜日

台湾の選挙から日本を考える


台湾では在外選挙の仕組みがないため、今回の選挙のために、多くの人が世界各地から移動しました。また住民票という概念も日本と異なり、日本の住民票に相応する戸籍を故郷に置いたままにしている人も多いため、故郷へ帰る人々の国内の移動も大変なものでした (特に授業が終わってすぐに帰省する大学生に感心!)。


日本は多くの若者が無気力に見受けられますし、在留邦人は日本の政治について文句は言うけれども、在外投票すらしない人が少なくないように見えます。台湾の人たちがこうして頑張っているのを見て対比すると、残念に感じます。少なくとも投票はして欲しい……。


また、年末にこんなニュースがありました。


『台湾の総統選 沼田前駐台代表、蔡氏と韓氏の差「5ポイント以内」と予測』


……各世論調査の結果で蔡氏の支持率が現時点で韓氏を大きく上回っていることに触れつつ、両氏の個性を加味すれば、「(支持率の)大きな開きはもしかすると無いかもしれない。5ポイントかその範囲内なのかもしれない」と分析した。


……さらに、立法委員選の行方も予測。民進党は「(議席を)確実に減らす」と断言し、「過半数の57(議席)を取れる保障はどこにもない。国民党が第1党になるかもしれない」との見通しを示した。


出典: http://japan.cna.com.tw/news/apol/201912230003.aspx 


結果論とは言え、現実には蔡英文が20ポイント近く離し、民進党が全開より議席を減らしたとはいえ60議席以上獲得したわけで、このことは日本の情報収集能力が著しく低下している現れだとも思えます。これまたなんとも残念な気持ちになります。


更に今回の結果について、香港で一国二制度がワークしないということが証明され、台湾が一国二制度にノーと言いったと解釈するのはよいのですが、更には多くの台湾人が「政経分離」が不可能であるということを悟ったということを認識した方がよいと思います。


これまでは統一は嫌だからとりあえず現状維持としておいて、そしてチャイナへ行ってお金だけは稼ごう、中国にへつらっておけば、たくさんの観光客が来てくれてたくさんお金を落としてくれるからそうしておけばいい。これまでは多くの台湾の人がこのように考えていたわけですが、今回はこれはどうやら考えが甘い、幻想に過ぎない、中国からお金で釣られたらエライことになってしまう、このように考える人が台湾の多数派となったわけです。

(無論、チャイナから撤退できずにいる企業や人もいますが。)

うちの日本老闆(りーべんらおばん;日本人ボスの意味)が

「ここ数年やっとこさ欧米は中国にはもう騙されないという姿勢をとっている。特にトランプ政権は中国と喧嘩している。欧米各国は中国のWTO加盟から約20年経って、WTO加盟後に中国は普通の国になるというのが幻想だったとようやく分かった。」
という話をしていらしたのですが、これと非常に似た話が台湾でも起きているということであると思います。

一方で日本といえば、日本を代表するような大企業は中国に将来の命運をかけるような戦略をとり、一部マスコミは中国ビジネスを煽り、政府は習近平を国賓招待するという。


どのようなプロセスを辿って、このような意思決定に至ったのか不思議な気がいたします。


日本がかなり危ない方向に向かっていると思うのは私だけでしょうか。


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本ブログの概要

起業、大学院での活動、在台日本人の生活等を通して色々な角度から見た台湾について、そして台湾から見た日本について、皆さんとお話していきたいと思っています。