前々回、アメリカの大学の後輩と温泉へ遊びに行った話をしました。その時の話にちょっと補足したいと思います。
僕は若い時、アメリカはニューヨーク州の臍(ヘソ)と言われるかなり辺鄙なところにある大学の大学院に留学しました。そのとき仲良くなった友人には、何故か台湾人が多かったのです。
その中でK君とR君は、1995年に僕が大学院のとき、K君は学部の2年生、R君は1回生でした。僕らは学年は違いますが、3人すべてオペレーションズリサーチ&経営工学専攻でした。
K君は大学を卒業してから、一旦ロサンゼルスで2年ほど仕事をしていましたが、それから台湾で最大の企業である『鴻海』という会社の中国は深センの子会社で働いていました。
数年前から健康上の問題があり、長期休暇をとって台湾に戻ってきたのです。
近々復帰する予定ですが、今度は台北の本社勤務の予定だと言っています。
R君は大学院を卒業してから、ニューヨークの投資銀行で5年間仕事をした後、英国のオックスフォード大学でMBAをとり、一昨年台湾に戻ってきました。
彼は小学生の時にアメリカに渡ったので、台湾に戻るのはおよそ20年ぶりでした。
丁度金融恐慌のおりで、仕事探しが大変でしたが、今は世界で2番目に高いビルである『台北101』の近くで金融関連のコンサルタントをやっています。
僕はこの大学院を修了後、一旦日本に戻り、それからまたニューヨークへ行き、テロの後上海へ移動し、それから台湾へ来ました。
僕らは卒業後連絡を取り合っていたわけではないけれども、なぜか昨年の一月に台湾で再会し、その後少なくとも月に1、2回は集まっています。
今回は更に前の会社の後輩のJ君も誘いました。このJ君はたまたま僕らの大学の後輩にもあたります(しかも専攻も同じ)。ただ彼は僕らよりずっと若いため、ニューヨークの臍にいた年は異なります。
J君は香港人ですが、大学はアメリカに留学し、その後日本で仕事をし、それから台湾へ引越ししてきたのです。
このようにニューヨーク州のヘソから出発し、地球上の色々な場所へ散り散りになっていた自分たちが、今は一緒に台北郊外の温泉に浸っていたのです。なんとも不思議な光景ではないでしょうか。
この4人の共通点は、(誰も口に出しては言わないですが、恐らく)台湾が大好きなことです。うーん、やっぱり台湾の温泉はいい、これは台湾でなければ食べられない、などとお互い言いながら楽しむわけです。
更にJ君もR君もニューヨークのヘソ時代から日本語を勉強していて、日本での仕事はどうの、日本酒や焼酎がどうのという話になったりもするわけです。
この3人の友人たちは頭もよくて仕事もできる大変優秀な人たちで、かつ海外でのグローバルな経験も豊富です。
しかし、学生時代の関係がベースなので、そんなことはお互い余り関係ありません(集まるときは学生に戻ったかのようにがやがやとやっています)。
何よりも、自分の国が好きで、友人の国が好きでかつリスペクトし、お互い気持ちよくやっていけること。これが僕らにとって(少なくとも僕にとって)最も大切な事なのだと思います。
僕にとってアメリカ留学は、勉強だけではなく、人との縁やつながりを築く上で、そして自分の国や友人の国を客観的に見るために、そして結果として愛するために非常に貴重な経験でした。
こんなことを、僕は台北郊外の温泉にて10年以上の時を越えて再認識したわけです。
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友情とか信頼関係なんて、一度会ったからといって簡単に出来るものではない。言葉とか人種なんて関係ないと思います。でも、一旦そういった関係が構築されると、その相手のためには何かしてあげようと自然と思ってしまうものです。
返信削除人生の中で、そういった経験のない人は、一度会っただけで、簡単に「Trust Me」と言うのでしょう。そういった人には友だちなんていないにきまっているだろうし、敬意を表するに値しないのです。
人生の中で出会える人の数なんてそんなに多くない。限りあるネットワークを大事にしていきたいですね。
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コメント有難うございます。
返信削除まさに人生の中で出会える人の数には限りがありますので、人と人とのネットワークやつながりは大切にしていきたいと思います。
ご指摘のように友情や信頼関係は一朝一夕にて築けるものではないと思います。
さらに、その維持にも一定の努力が必要で、時によっては人格を問われるような瞬間もあるのではないかと感じております。
御存知の通り、中国語で大切にすることを『珍惜』と言いますが、友情や信頼関係は得難く、貴重で失い難いものですね。
(追:例の「Trust me」は余りに軽薄かつ無責任ですね。。。)