先に紹介しました産経新聞の支局長の記事に、台湾の本省人、すなわち台湾人は漢族であるという記述がありました。
司馬遼太郎の『台湾紀行』にもこんなくだりがあります。
・・・ 『世界の少数民族を知る事典』として刊行された。その本にあっては「台湾人」が少数民族の項にはいっている。
(中略)もし“老台北”に、「先生は少数民族なんですってね」といえば、飛びあがるに違いない。以下、架空のやり取りを楽しみたい。
(中略)「私は、先祖代々漢民族なんですが。・・・」“老台北”は憮然としていう。さらにかれは気をとりなおして、「台湾人でもあります。そのことが誇りです」ともいう。 ・・・
もし現実にこのやりとりをしたならば、老台北さんは果たして本当に自分が「漢民族」であると言うでしょうか。
実際に、産経の台湾支局長さんや司馬遼太郎さんだけではなく、大部分の日本人が台湾人は漢民族であると思っているかと感じます。
しかし、私自身はこの考えは要検討であると考えます。
さて、上の写真の女性をご存じですか。
彼女は席曼寧といって、台湾の女優さんです。
席曼寧は台南の人で、ご両親ともに台湾人とのことです。決してハーフではありません。
台湾はオランダの統治を受けていた時代があります。
その時の遺伝子がひょんっと出て来るのでしょうか、突然ご両親もご兄弟もすべてアジア人の顔なのに、欧米人の混血のような顔をした子供がひょっこり生まれることがあります。
私の同僚も3年前に子どもが生まれたのですが、何故か外国人のような顔立ちをしています。
「きっとあんたのところのおじいちゃんのおじいちゃんのおじいちゃん・・・はオランダ人なんだね」
と子供の写真を見ながらみんなではしゃいだものです。
また、自称「閩南人」(戦前に福建南部から台湾へ移ったといわれる人)の友人でも、どう考えても原住民のような顔をしている人も多々います。
私の前の会社の同僚J君はまさにそうで、別の原住民の同僚が「私より原住民っぽい」と嫉妬(?)していました。
台北の街を歩けば、台湾の人は本当に色々な顔立ちをしていることを感じられます。
その顔立ちは、東京、北京、上海、香港でみるものとはかなり違うものであることに誰もが気付きます。
私の台湾人の親友Tは、「中国、上海、シンガポールとかへ行くと、つくづく台湾人と彼らは違う人達なんだなと感じるんだよね」といつだったかポツリとこぼしていました。
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