2010年7月2日金曜日

台湾と日本の地方の教育力

台湾でも日本と同様、過度のゆとり教育が近年問題視されています。

この懸念を受けて、日本では教育基本法の改革があり、そして平成19年度から「全国学力・学習状況調査」が開始されました。

(民主党に政権が移って以来、これからどう変わっていくかまだまだ分かりませんが…。)

台湾では「親子天下」という雑誌が、本年初めて大規模な県市別の教育力調査を行い、その結果が6月29日に発表されました。

……ここで『県市』別とさりげなく言いましたが、台湾では『県市』が日本の都道府県に相応します。

日本の都道府県は、1都1道2府43県で合計47ありますが、台湾では2つの直轄市(台北市と高雄市)、5つの市(基隆市、新竹市、台中市、嘉義市、台南市)、18の県(台北県、桃園県・・・)の合計25県市があります。

(この行政区分は今年度年末に再編されますが、このお話はここでは関係ないので省略します。)……

さて話がそれましたが、日本の平成21年度の「全国学力・学習状況調査」の都道府県別の結果を見ると、小中学生共に1位2位は秋田県と福井県が独占しています。

私は石川県生まれの富山県育ちですが、裏日本の中の田舎などと蔑まれる北陸三県の中でも、最も保守的で、地味なイメージの福井県が(ごめんなさい!)極めて強い結果を示していることに興味を覚えました。

さて、台湾の教育力調査の結果はどうだったのでしょうか。

1位は予想通り台北市だったのですが、僅差で2位は苗栗県という結果で、全台湾を驚かせたのです。

苗栗県は台湾の北西にあり、サイエンスパークで有名な新竹市と台中県の間に位置します。

カブ家と20年来の付き合いをしている林家もここにあるためちょくちょく遊びにいくのですが、海あり山ありで、果物がとても美味しくて、北陸に負けないよい田舎です!

苗栗県の住民の多数を占めるのが客家(ハッカ)と呼ばれる人たちで、地元の市場などを散歩すると皆がハッカ語で話しているため、言葉が全く分からず不思議な感覚に陥るものです。

それにしても秋田県、福井県、苗栗県にどんな共通点があるのでしょうか。

これは私の推測でしかないのですが、「伝統を重んじる風土」ではないでしょうか。

少なくとも苗栗県の客家(ハッカ)の人々は、台湾の色々なところに散らばっている客家の人たちが自分たちの言葉と文化を失いつつあると言われる中、苗栗の客家の人たちは自分たちの言葉や文化にかなりこだわっているように感じます。

都市化が進む台湾も日本も、地方には隠れた古き良き伝統があるのではないでしょうか。

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2 件のコメント:

  1. 今の日本の政権は全く逆ですね。

    家族、伝統、文化など日本社会を根底から変容させかねない法案を次々と通そうとしていますね。アメリカの自治区からアジアのどこかの国の統治国を目指しているのでしょうかね?

    でもマスコミは、サッカーと大相撲の話題でいっぱい、例え政治の話が出ても消費税の話題ばかりですね。

    ***

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  2. 日本人はどうやら本質を見ることを忘れ、表面的になり過ぎていますね(これも伝統を忘れた弊害の1つ?)。

    自分たちの社会に本質的に何が大切なのかについて思考停止状態になり、朝三暮四の民族になりつつあるのかもしれません(もうなっている?)。

    サッカー、相撲、消費税の話題ばかりとは、悲しいばかりです。

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本ブログの概要

起業、大学院での活動、在台日本人の生活等を通して色々な角度から見た台湾について、そして台湾から見た日本について、皆さんとお話していきたいと思っています。