前回の『台湾の北京語の中の日本語の話』のなぞなぞについて、台北の日本人の友人から異議がありました。
彼のコメントをもとに、訂正を兼ねて、追加のなぞなぞを作成しました。
問:「実は歐吉桑(=おじさん)、歐巴桑(=おばさん)、運將(=うんちゃん)の他に、敗戦後の台湾に、もう一人日本人が台湾に残っていました。この人は昼間は普通寝ています。その人の名前は?」
答:「媽媽桑(ママさん)」
最近台南で一緒に仕事をしていた友人に、3年ぶりに再会しました。
台南での色々な思い出話に花を咲かせたのですが、当時台北から化粧の濃い目の営業担当の女性が台南の片田舎に来て、台南の人たちは「媽媽桑みたいなのが来た!」と言って大騒ぎになったことも思い出したりしたのです。
さて、台湾の北京語の中に残った日本語の中には、日本語の本来の用法から離れてしまったものがあります。
これらを説明する前にまたクイズです。
下の台湾の北京語の意味はなんでしょう?
1.阿那達 2.阿尼基 3.内將
漢字だけを見るとなかなか難しいでしょう?
でも答えは日本人なら小学生でも知っている言葉なんですよ。
日本語の本来の用法から離れてしまったものの代表が1.の「阿那達(=あなた)」です。
日本語の「あなた」は、二人称かあるいは妻が夫を呼ぶときに使う言葉ですが(最近後者の用法は廃れてきていると思いますが)、台湾での「阿那達」は恋人の意味です。
今日も知り合いから「新しい『阿那達』を頑張って探しなさい」なんて言われたのですが、日本人の私にはどうしても違和感があります。。。
2.の「阿尼基」は「アニキ」なのですが、いわゆるお兄さんの意味ではなく、通常「極道やそれに類似するお兄さん」に限定して使われます。
台湾で日本人の友人を兄貴と呼べば、その友人に迷惑がかかるかもしれないので気をつけましょう!
最後の3.の「内将」は将軍の一種ではなく、「ねえちゃん」です。
「阿那達(=あなた)」や「阿尼基(=あにき)」に比べれば使用頻度は低いですが、たまに聞くことがあります。
家族と一緒に日本へ遊びに行って帰ってきた友人が私に言いました。
「日本の温泉はやっぱりいいね、温泉の『ねえちゃん』がとても親切でサービスが抜群だった。」
私はこの友人が家族を連れて一体どんな温泉に行って何をやらかしたのやらといぶかしがったのですが、実は台湾の北京語の中での「内将(=ねえちゃん)」は温泉や旅館などのおかみさんや女性従業員の方を意味しています。
もしも台湾の温泉で「内将(=ねえちゃん)」と呼ばれたならば、それは口説かれているわけではありません。単に従業員に間違えられているだけなのです。
というわけで、台湾の日本語には時には注意が必要です。
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