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国外から台湾へ戻ってきたときに無性に食べたくなるもの、『蚵仔煎』がその1つです。
『蚵仔煎』の発音は通常「おあじぇん」または「おあづぇん」と、「蚵仔」の部分は台湾語で「おあ」、「煎」の部分は北京語(「じぇん」)か台湾語(「づぇん」)で発音します。
「蚵仔」(おあ)は台湾の小さいカキのことです。
日本で出版されている台湾のガイドブックには『蚵仔煎』は「カキのオムレツ」または「カキのお好み焼き」と訳されているのですが、どちらも正しくありません。
『蚵仔煎』を作るときには、卵とサツマイモのでんぷんを炒め、それに青菜やカキを加えて包み込み、ピンクのほのかに甘みや酸味のあるソースをかけていただきます。
卵が多いのでオムレツのようでもあり、サツマイモのでんぷんが入っているため、少々お好み焼きのようでもあります。
僕はこの『蚵仔煎』を食べるために、台北市を離れて、台北大橋を渡り、台北県は三重というところにある三和夜市へ行きます。
三和夜市は台北にある大型の観光夜市と違って、小さくてごちゃごちゃしているのですが、より台湾らしい味を醸しています。
色々な食べ物の店や屋台はおろか、金魚すくい、えび釣り、靴や下着を売るお店、そして占い師までとありとあらゆるものが、この小さな空間に、雑多におかれていて、なんだかSF映画のロケに使えそうな気さえしてきます。
ここにある『蚵仔煎大王』というお店は、いつも人で一杯で、美味しい「おあじぇん」を45元(130円弱)でいただけます。
台北市内の変な屋台でこの「おあじぇん」を食べると、値段は高いくせに、さつまいものでんぷんばっかりで、カキは申し訳程度にはいっているだけ。
こんな「おあじぇん」を食べれば、心には台北の冬特有の湿った冷たい風が吹くだけ。
ここではソースの下にある「おあじぇん」を破ると、ぽろりぽろりとたくさんの白くてぷりぷりしたカキが顔をだしてきます。
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牡蠣と卵の炒め物。懐かしい。1980年代のはじめに福建省福州に一ヶ月ほど滞在したことがあり、そのときに食べていました。サツマイモのデンプンは入っていなかったような気がします(大昔なので記憶がさだかでない、、、)。
返信削除このピンクのソースはトマトが入っているのですか?
おあじぇん 懐かしき。
返信削除あの、甘いソースが合っているような、合っていないような^^;
確かに、士林夜市のなんかは、シジミみたいなのが入って径も小さいですね。
福州でこれを召し上がられたのですか!
返信削除私はこの料理はずっと閩南(福建省南部)料理を起源としているものと思いこんでいました。どちらが起源か調べてみます。
おそらくサツマイモのデンプンを入れるのは台湾でのローカリゼーションだと推察します。
ここはサツマイモの国。サツマイモがたくさん採れて、島の形までサツマイモ。日本統治時代の台湾人は、本土人に対して「いもっ子」と呼ばれていたようです。
台湾語で最もポピュラーな諺の1つは「時がくればなんとかとなる。米がなければ(サツマイモの)芋粥を食べればいいさ。」
本当に至る所でサツマイモです。
ところで、私の舌が確かであれば、このピンクのソースにトマトは入っていないと思います。
色はサンザシから来ているのではないかと思っております。
ふふふ、あおじぇん、懐かしいでしょう。
返信削除僕も初めて食べたときには、このソースが本当に合っているのか微妙だと感じました。
本文では書きませんでしたが、おいしいおあじぇんのお店の店はカキが新鮮でたっぷり入っているほかに、ソースが美味しいのです。
ここのお店もはんなり甘いソースがきちんとカキや卵の味をうまく結び付けてくれています。
また別途紹介する予定ですが、辛口ソースのお店もあって、これはかなりいけます!