(これも携帯で撮ったもので余りパッとしませんが、お許しのほどを)
「豆仔魚」と書いて、「だうあひー」と発音するこの魚は、私にはなんやら不思議な魚に思えます。
何が不思議かと言うと、台湾でも余りお目にかからないですし、見た目と中身のギャップが余りに激しいのです。
台北は長安東路にある『茂園』という台湾料理の名門店があります。
このお店でとある方からご馳走になった際、メインディッシュとして出てきたのが、僕にとって豆仔魚さんとの初めての出会いでした。
体は余りに小ぶりで、見かけはのっぺりしていて、華やかなところが全くありません。
それに小骨が多いので要注意とのこと。なんともメインに相応しくない。
『茂園』の他のお料理に満足していた僕も、このメインを見たときには正直内心がっくりしました。
ところが口にすると、蒸したこの豆仔魚は、非常にもちもちしていて、味も淡白ながらかなりいけるのです。
いやいや、人もお魚も見かけで判断してはいけません。
もう一つ不思議なことは、この魚好きの僕も、日本でも他の国でもこの豆仔魚さんやそれに似た方にはお会いした記憶がないのです。
調べてみると、日本ではカワムツあるいはヌマムツと呼ぶらしく、コイ科オイカワ属に属しているようです。
そういえば、ほんのかすかに川魚のにおいがあったようにも思えます。
しかし、カワムツあるいはヌマムツという魚を僕は聞いたことがありません。
深海魚のムツはよく知っていますが、豆仔魚の食感は確かにムツに似ていると言えば似ていないこともないですが、味はムツよりもはるかに淡く、はんなりしています。
もしかして、この魚を食べるのは台湾人だけなのでしょうか。僕の心の中の謎は深まるばかりです。
ところで最近、近所の魚定食専門の小さな食堂に入ったときに、ひょんとこの豆仔魚さんとの再会を果たしました。
豆仔魚さんは依然として小柄で、僕のお腹は一杯にならないのですが、独特のもちもちはんなりを再度堪能させてくれたのでした。
この豆仔魚を頂くときには、写真のように生姜と豆豉(ドウチー)と一緒に丸ごと蒸して食べるに限ります。
皆さんも機会があれば、是非お試しあれ。
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確かに美味そうに見えないですね。でも、よく箸をつけた。エライ!
返信削除豆豉って、化学調味料(味精)以前のうま味成分ですよね。昔は中国も台湾も自然を利用して美味しく料理していたのに、今では化学調味料の味ばかりしますね。惜しい、、、。
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豆豉はまさに旨味成分の塊ですよね。
返信削除ちなみに台湾の伝統的なお醤油は黒大豆と塩のみから作り、麦やもろみは使わないとのことです。豆豉の液体版のような気がします。
このような伝統的なお醤油を作るところも少なくなり、日本の醤油を真似たものや化学調味料を加えることは本当に惜しいことです。