台湾で仕事や生活をする上では北京語さえできれば十分である、という意見をよく聞きます。
人によっては、台湾語なんて勉強して何になるの、という人もいらっしゃいます。
僕自身、北京語さえできれば、台湾での一般的な仕事や生活はなんとかなると思います。
しかし、台湾の人ともっと仲良くなろうとしたり、もっと台湾の人の生活に近づこうとしたり、台湾の伝統文化や風習を理解しようとすると、台湾語が分からなければこの目標を達成することは困難になってくると言えるかと思います。
今回は台湾語の話の前に、台湾で話される北京語の話をしようと思います。
台湾において日常話される北京語は、台湾語の影響を受けて台湾語訛りになる(そり舌音がない等)ことは皆さんよくご存知だと思います。
例えば、音をそのまま漢字で表すと下記のようになります(実際に台湾のウェブ上に書いてあるものを転記しました)。
偶不素縮這個啦!(=我不是說這個啦!)
更に、台湾語の文法や語彙をそのまま北京語に転化したりします。
簡単ですが例を3つ作ってみました。
1. 我昨天騎鐵馬扒扒走,今天覺得很累!
2. 這個土豆還不錯吃!
3. 頭家娘,妳有賣日本的?
これらの例を読まれた大陸の北京語(普通語、ぷーとんふあ)の知識がある方には、違和感を感じられるのではないでしょうか?
この3つの例の解説ですが、
1.和訳: 昨日自転車に乗って方々駆け巡ったので、今日は疲れているよ!
・・・「鉄馬」は台湾語の自転車、「扒扒走」は台湾語の方々駆け巡るの意味から来ています。
2.和訳: この落花生はなかなかいけるね!
・・・台湾では「土豆」は落花生の意味で、ジャガイモではありませんのでご注意を。また、「不錯+動詞」の用法は大陸の北京語にはありません。台湾語の用法から来ています。
3.和訳: おかみさん、日本のは売っていますか?
・・・「頭家娘」は台湾語で女性の老板(主人、ボス)の意味。また、「有+動詞」の用法は大陸の北京語で「動詞+著」に相応します。これも台湾語の用法から来ています。
ここまでお話したところで、「台湾訛りの北京語って、変なの~」あるいは「こんな北京語は邪道だ」という声が聞こえてきそうです。
これは私個人の考えですが、中国語は北京の言葉が正当かつ標準で、地方の訛りが変てこで、ダサイものという考え方はどうかなと思います。
勿論コミュニケーションを円滑に行うために言葉の標準は必要です。
一方で、言葉は文化の窓口で、その地方の訛りは、その地方の独特の伝統や文化を理解する上での窓口でもあるわけです。
それに、いわゆる標準ばかりに囚われ過ぎて、多様性を許容しないなんて面白みはないし、寂しい限りではないですか。
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自行車より鉄馬のほうがいいね。台湾では土豆が落花生だとは知りませんでした。謝々了!
返信削除そうですよね、鉄馬の方がなんだかよいですよね。あとは「脚踏車」も使います。
返信削除「土豆」が落花生であることは、私自身台湾へ来たばかりの時にはかなり驚きました。