2010年3月31日水曜日

香満園

地下鉄の双連駅から歩いてすぐ近くの、ちょっと薄暗い小路にこの「香満園」というお店はあります。

薄暗いところにいつも老若男女の人だかりが出来ていて、かなり怪しい雰囲気。

一体何だろうと思って除くと、果たしてそれは滷肉飯(豚肉煮込みかけご飯)のお店なのです。

滷肉飯と言えば、甘くてちょっと油っぽいイメージがあるのですが、ここのお店のはもも肉のみを使ってじっくり煮込んでいるためか、あっさりしています。

そしてご飯が一粒一粒ぴんっと並んでいる感じで、硬過ぎず軟らか過ぎず丁度よく、ご飯を噛む感覚が心地いい!

更に忘れてはならないのは、「金針赤肉湯」というノカンゾウともも肉のスープです。

これまたアッサリと爽やかな味わいなのがよいのです。

台北は双連の近くにいらしたときには、是非お試しあれ。

このお店の営業時間は朝の6時から午後1時までですので、ご注意を。

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2010年3月30日火曜日

簡単台湾語講座 ~ まずは台湾の北京語から

台湾で仕事や生活をする上では北京語さえできれば十分である、という意見をよく聞きます。

人によっては、台湾語なんて勉強して何になるの、という人もいらっしゃいます。

僕自身、北京語さえできれば、台湾での一般的な仕事や生活はなんとかなると思います。

しかし、台湾の人ともっと仲良くなろうとしたり、もっと台湾の人の生活に近づこうとしたり、台湾の伝統文化や風習を理解しようとすると、台湾語が分からなければこの目標を達成することは困難になってくると言えるかと思います。

今回は台湾語の話の前に、台湾で話される北京語の話をしようと思います。

台湾において日常話される北京語は、台湾語の影響を受けて台湾語訛りになる(そり舌音がない等)ことは皆さんよくご存知だと思います。

例えば、音をそのまま漢字で表すと下記のようになります(実際に台湾のウェブ上に書いてあるものを転記しました)。

偶不素縮這個啦!(我不是說這個啦!)

更に、台湾語の文法や語彙をそのまま北京語に転化したりします。

簡単ですが例を3つ作ってみました。

1. 我昨天騎鐵馬扒扒走,今天覺得很累!

2. 這個土豆還不錯吃!

3. 頭家娘,妳有賣日本的?

これらの例を読まれた大陸の北京語(普通語、ぷーとんふあ)の知識がある方には、違和感を感じられるのではないでしょうか?

この3つの例の解説ですが、

1.和訳: 昨日自転車に乗って方々駆け巡ったので、今日は疲れているよ!

・・・「鉄馬」は台湾語の自転車、「扒扒走」は台湾語の方々駆け巡るの意味から来ています。

2.和訳: この落花生はなかなかいけるね!

・・・台湾では「土豆」は落花生の意味で、ジャガイモではありませんのでご注意を。また、「不錯+動詞」の用法は大陸の北京語にはありません。台湾語の用法から来ています。

3.和訳: おかみさん、日本のは売っていますか?

・・・「頭家娘」は台湾語で女性の老板(主人、ボス)の意味。また、「有+動詞」の用法は大陸の北京語で「動詞+著」に相応します。これも台湾語の用法から来ています。

ここまでお話したところで、「台湾訛りの北京語って、変なの~」あるいは「こんな北京語は邪道だ」という声が聞こえてきそうです。

これは私個人の考えですが、中国語は北京の言葉が正当かつ標準で、地方の訛りが変てこで、ダサイものという考え方はどうかなと思います。

勿論コミュニケーションを円滑に行うために言葉の標準は必要です。

一方で、言葉は文化の窓口で、その地方の訛りは、その地方の独特の伝統や文化を理解する上での窓口でもあるわけです。

それに、いわゆる標準ばかりに囚われ過ぎて、多様性を許容しないなんて面白みはないし、寂しい限りではないですか。

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2010年3月29日月曜日

外国語の勉強について

(私が使っている台湾語の教科書と辞書です。)

台湾に来てからは、毎週土曜日に北京語と台湾語のレッスンに通っています。

週末を跨ぐ海外出張や仕事もあり、必ずしも毎週と言うわけではないのですが、できるだけサボらないようにしています。

最初は北京語のレッスンだけでしたが、途中から台湾語も始め、台湾語の勉強もそろそろ3年近くになり、先週末にようやく一つの教科書の勉強を完了しました。

(北京語は大学院時代から勉強しているので、記憶が正しければ今6冊目の教科書を勉強しています。少しだけ自分を褒めてやりたいです。笑)

これでようやく、台湾語の簡単な会話の聞き取りや話ができる程度です。いやはや年はとりたくないですね。

ところで、よく周りの人から外国語はどうやって勉強すればよいのか聞かれます。

私は語学教師でもなければ、言語学や言語教育学の知識があるわけでもないのですし、人によって違うと思うのですが、私自身は外国語を習熟するためのコツのようなものは少なくとも3つあると思います。

1. 外国語習得のための時間に対する意識

アメリカの国務省の付属機関であるForeign Service Instituteによると、英語が母国語である人が中国語や日本語を勉強する際、一般実務レベルに達するために必要な学習時間は2200時間であるとしています。

(参照:Language Learning Difficulty for English Speakers

しかもこの時間は授業時間のみであって、宿題などの時間は含まれていません。一方で、日本語を母国語とする人であれば、例えば中国語であるならば、もう少し短時間でマスターできるかもしれません。

とにもかくにも、仮に必要な学習時間が2200時間であるとすれば、毎日3時間勉強したとしても2年以上かかります。

このように外国語を習得するためには、かなりの時間を費やさなければならないわけです。

このような意識をまずもつことが大切だと思うのです。

2.継続すること

このような膨大な必要学習時間に加えて、語学はスポーツに似ている性質があると思います。

しばらく練習しなければ直ぐに忘れてしまい、取り戻すだけでまたエキストラの時間が必要になってしまいます。

無理なく継続していくため、自分自身で環境やしくみを作ることが必要であると思います。

3.楽しむこと

長期にわたって継続することが必要ですから、かたい教科書ばかりを勉強していては普通もたないと思います。

なんでもよいので楽しんで練習できることが必要だと思います。

勉強している外国語の映画やテレビドラマを見たり、外国語の歌を聞いたりはたまたカラオケで歌ったり、そして友人との会話を楽しむことがそのよい例です。

ちなみに、私の新しい台湾語の教科書は、英文タイトルが「Selection of Humor and Jokes in Taiwanese」(台湾語ユーモア&ジョーク選集)です。

先生に私の性格を見破られていますね・・・。

最後に、福澤諭吉先生の言葉です。

・・・書を読むときは、ひとり日本の書のみならず、支那の書も読み、天竺の書も読み、西洋諸国の書も読まざるべからず。人間の知恵をもって、日本・支那・英仏等、わずか二、三カ国の語を学ぶになにほどの骨折りあるや。・・・

グローバル時代と呼ばれる現在、福澤先生の時代よりも複数の外国語をできることは一層重要で、きちんと勉強すれば、それは決して不可能でないと思います。

何よりも勉強してみると結構面白いものです。

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2010年3月28日日曜日

続 老虎醬温州大餛飩

前回このお店の紹介をした際には、麺のみでしたので、今回はワンタンの紹介です。

名前の「大餛飩」の通り、このお店のワンタンスープを頼むと、大きいワンタンが4つか5つドンッとダイナミックに入っています。

ワンタンにはエビ、肉、肉と野菜の3種類がありますが、上の写真は肉と野菜のワンタンです。

これを食べるときには、少しでよいので例の「老虎醬」を加えると、更に美味しく頂けます。写真の真中の赤色のものがそれです。

ただし、この「老虎醬」は非常に辛いので、少しずつ加えるのがポイントです。

また、醤油とラー油のタレとゴマソースの中にワンタンを入れて頂く「紅油抄手」(ほんようちゃおしょう)もお薦めです。

ところで、お値段は野菜と肉のワンタンスープは60元(160円強)、紅油抄手は55元(約150円)です。

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2010年3月26日金曜日

台湾と日本の歴史教育

台湾はオランダ、清朝、日本、中華民国と統治する人が変遷し、複雑な歴史をもっている国であると思います。

しかしながら、蒋介石、経国時代の台湾の歴史教育は大陸の歴史を学ばせるばかりで、台湾の歴史については全く教育を行っていませんでした。

李登輝政権はそのような歴史教育に修正を求め、民進党政府がそれを加速させ、うまく台湾主体の歴史教育に移行してきました。

現在の馬英九政権でも、現時点でこの動きに大きな変更はなく、台湾主体の歴史教育は続いています。

(現時点、というのはこれからはどうなるか分かりません。注意深く見守り続ける必要があると思います。)

少なくとも10余年に渡って続いたこの歴史教育のおかげで、色々なところで台湾の歴史を大切にしようという動きがあります。

3月20日の産経新聞の記事、「【東亜春秋】台北支局長・山本勲 深化する台湾の歴史認識* は、この動きをうまく捉えていると思います

一方で、日本の歴史教育はどうでしょうか。

残念ながら教科書の殆どはいわゆる占領史観に染められていて、扶桑社の新しい歴史教科書があれこれ議論を呼んだものの、一日千秋の如く戦後60年多に渡って変わっていないと思います。

かたい話で恐縮ですが、吉田松陰は松下村塾記において、学問の目的の一つは「華夷の弁」であると言っています。

「華夷の弁」とは、自分の国に誇りをもち、自国と他国との違いをきちんと認識することです。

今の日本の歴史教育では、自分の国に誇りをもつことができるでしょうか。

近代国家日本への飛躍の礎を築いた幕末~明治維新の教育とは全く逆のことを行っているように思えます。

* 追記: 本論からはそれますが、当産経新聞の記事において、台湾人(本省人)は「日本統治時代から台湾に住む漢族」との記述があります。

私自身は、台湾人の血統は大陸から渡ってきた人、台湾原住民、オランダ人、倭寇の子孫等が混じり合い、「漢族」という言葉の記述は適当ではないと認識しています。

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2010年3月25日木曜日

台湾大学EMBAの外国人

この前の炉端会で出会った韓国人のK先輩が、他の外国人OBOGも呼んでランチに誘ってくださいました。

参加されたのは、K先輩以外に、日本人のE先輩とT先輩と私の4人。

他にもう一人日本人女性のM先輩をお誘いしたのですが、彼女は残念ながら新竹でお仕事のため、今回の参加はなりませんでした。

4人の先輩は全員2005年のご入学で、それ以降は外国人は非常に少ない人のこと、恐らくアメリカ人が1人か2人いるのみのようです。

少なくとも日本人は皆無で、私がどうやら栄誉ある日本人第5号だそうです(台湾人枠での入学も私のみのようです)。

先輩方とのランチの時には、皆あたかも学生に戻ったかのように、「あの先生は厳しいよ」、「宿題はこんな感じでやればいい」、「論文はこのように書いたらよい」と和やかに議論され、色々なアドバイスを下さいます。

と思いきや突然携帯電話が鳴り電話をとられるときには、当然ながら皆仕事の顔に戻られます。

(ちなみに、K先輩、E先輩はすでにご自分で会社をつくられ、経営されている人のこと。T先輩は某日系大企業のマネージャーをされています。)

学校の話を一通り終え雑談している時に、T先輩の会社は私の家から徒歩3分、E先輩のご自宅は私の隣のマンションであることが判明しました。

この広い台北での偶然に驚かざるを得ませんでした。縁とは本当に不思議なものですね。

これからも一ヶ月に一度ぐらい食事をしようということになり、今回の新しい出会いの発展にわくわくしています。

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2010年3月24日水曜日

世論調査: 台湾人の最も好きな国

台湾の新聞「自由日報」の記事によると、台湾の在日本大使館に相応する亜東協会が発表したところによると、世論調査の結果52%の台湾人が最も好きな国が日本で、62%が日本に親近感を覚える、63%が日本との関係がまあまあと考えていること判明したとのことです。

更に、「台湾以外で最も好きな国はどこか」の設問の回答は、52%の台湾人が日本と答え、8%が米国、5%が中国で、日本が2位に大きく水を開けていることが分かりました。

個人的にこの結果は嬉しくも、複雑な気持ちになってしまうことも否めません。

52%の台湾の人が日本のことが最も好きな国である一方で、日本人は台湾をどのように認識し、どのように考えているのでしょうか。

もし、日本でこのような世論調査を行えば、台湾は何位になるのでしょうか。

私は台湾が大好きですので、多くの日本人にもっと台湾を知ってもらいたいという気持ちが強いのだと思います。

ただそれ以上に、多々失望させられる時があるにせよ、私は日本が好きで、日本人は自分自身の国、伝統、歴史、アイデンティティ、現状を正確に理解するために、台湾についてしっかりと知っておく必要があるとおもうのです。

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2010年3月23日火曜日

炉端会での出会い

(スライドはクリックすると大きくなります。)

今回幹事を務めた台湾大学EMBA炉端会ではてとても心に残る出会いがありました。

(炉端会の詳細についてはこちらをクリック下さい)

この出会いのお話の前に、とても面映いのですが、僕のライフプランの話をさせて頂きます。

僕はこれまで12年ほど日本、米国、中国そして台湾で多国籍チームで行うプロジェクトに従事してきました。

プロジェクトといっても多種多様ですが、主に海外の日系企業の業務改善や事業立ち上げのサポートです。

多人種、多文化、多言語の世界で仕事をすると、国内では大活躍されている日本人の方々も、いつもとは異なる環境で勝手が分からず、中々苦戦されるものです。

僕自身にとっても、毎回業界や内容が以前のプロジェクトとは異なることが多いため、チャレンジの連続です。

このようなプロジェクトの中で、クライアントと切磋琢磨を楽しみ、そしてプロジェクトをやり遂げた時、クライアントから感謝の言葉を頂けることが僕の最大の喜びそして幸福です。

こんな日々を過ごす中で、ある時ふと、僕の中で1つの考えが浮かびました。

「もしもっと多くの日本や台湾の方々が、若い時からグローバルプロジェクトやグローバル経営について学んでいれば、僕らがやっているようなプロジェクトはもっとうまく行くのではないか。ひいては、日本や台湾の企業がもっとグローバルで活躍できるようになるのではないか。」

そんなわけで、僕は50才代で日本や台湾の若い人達とグローバルプロジェクトやグローバル経営について語り合える場にいたいと考えるようになりました。

そのゴールへ到達するための1つの短期的目標が、新しい会社の経営に携わりながら、EMBAで徹底的に経営学、特にグローバル経営に関する分野を勉強することです。

さて話を「炉端会」に戻すと、今回は20人強の台湾大学EMBAOBOG、在校生が出席していたのですが、その中で、自分の会社を経営しながら、台湾の大学にて経営学について教鞭をとっておられるお二人の先輩に出会いました。

僕は自分のずっと前を進んでいらっしゃる方に実際に巡りあい、自分の目標に対して決意をまた新たにしました。

同時に何故か突然、子供のときに父からもらい、実家の机の上にずっと貼ってあった「夢」という題の紙が脳裏に浮かんできました。

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夢のある者は、希望がある

希望のある者は、目標がある

目標のある者は、計画がある

計画のある者は、行動がある

行動のある者は、実績がある

実績のある者は、反省がある

反省のある者は、進歩がある

進歩のある者は、夢がある

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父のくれた紙はもう手元にありません。

自分でスライドを作ってみながら、数十年ぶりにこの8行の言葉をかみしめると子供の頃とは違った味がします。

夢は子供の頃より現実的になるのは当然ですが、何よりも人生の半分近くの時間をもう使ってしまったわけですから、このサイクルを回す数が有限であることを痛いまで感じ、夢だけでなく時間がこの上なくいとおしいのです。

このように感じるのも私がオジサンになった証拠でしょうか。

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本ブログの概要

起業、大学院での活動、在台日本人の生活等を通して色々な角度から見た台湾について、そして台湾から見た日本について、皆さんとお話していきたいと思っています。